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専門者は極端に女性の指導者に少ない。競技指導歴6年未満が90%を占める。
イ、練習について
練習時間については、平日で2時間前後で、終了時間は日没を考えて18時頃が一般的でほぼ全国的である。休日については、どちらか一日を練習日にあてている。
ウ、指導について
部活動を指導するに至った理由には、男性の半数の指導者が自分から希望しているか、女性の80%弱が学校事情によりやむなく担当している。
毎日の指導については、男女とも60%以上が毎日、あるいはできるだけついて指導しているが、30%以上つけない現実がある。10年前の本県調査と比較すると「しかたなく」担当し、「練習につけない」指導者が大幅に増加している。
エ、中学校指導者の考える『競技力向上』について
「特性に触れ、将来的に楽しめるようにする」「基礎体力を養う」「礼儀・協調性を身につける」「精神力を養う」が全体の80%近くを占めている。男女差にみられるのは、「礼儀・協調性を身につける」が女子に高く、「技術・技能を磨く」が男子に高い傾向がある。
年齢別に見ると、40代を過ぎると、「代表になって活躍」よりも「競技人口の拡大」を考えているのが分かる。
中体連役員と一般指導者との比較を見ると、中体連役員が、「強い意志とたくましい精神を養う」「技術、技能を磨く」が高い割合を示し、一般指導著は「基礎体力を養う」「礼儀、協調性を身につける」が高い割合を示している。
専門著と専門外及び、希望者と希望外担当者の比較を見ると、専門者は専門外者に対して、「技術・技能を磨く」が際だって高い割合を示す。専門者と専門外者の比較は、若干の差異はあるものの、希望者と希望外者との比較割合が一致することがうかがえる。
3 考察
今回の意識調査の結果から、その割合に若干の差異はあるものの、地域を問わず、ほぼ県内レベルで『中学生の競技力』の認識に共通傾向があることが把握できた。それは、
?生涯スポーツの観点からの認識 ?運動本来の持つ体力向上・健康増進の面
?精神面の発達 この3点に集約された。
これらは、学校体育の目的と一致することを考えると、中体連活動か学校教育活動の一環と位置付けられ、中学生の教育の場として機能していることがうかがえる。
意識調査前は、「技術・技能を高め、試合で好成績を納める」が、かなり高い割合を占めることを予想したが、それ程の割合にはならなかった。調査時期が新チーム発足の9月であったことや、設問が選択肢方式であったことなどが影響していることも考慮したい。
また、本県中体連登録の外部指導者にも同時期実施したが、回答数が少数で検討対象とはならなかったが、教職員指導者と外部指導者の認識の比較は不可欠である。
運動部指導者が考え、望んでいることの意見としては、部活動顧問同士の情報交換や、講習会の実施が必要であり、郡市単位での合同練習会や合宿で選手育成を望んでいる。社会体育への移行に関しては、完全に移行して、子ども達が本当にやりたいことをやらせてあげたい。と言う意見も出された。これらが競技力向上対策とは思わないが、今後の取り組みとして専門外の指導者に対して中体連のはたらきや外部指導者の導入などさらに研究を進めていかなければならないと考える。
4 まとめ
6割の指導者は専門外の競技を、女性は8割近くの教職員が学校事情などで仕方なく運動部の指導を担当しているのが本県の実態である。しかも最近10年間でその数字は増加傾向にある。条件整備・指導者講習会の具体的対策が急務であるが、競技力向上対策には、専門外の指導者を視野にいれた取り組みが必要である。県外の先生方にもご意見をいただきたい。
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